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=東武日光沿線サミット第1回東武日光沿線文化経済会議=
平成19年6月2日(土) 鹿沼市:鹿沼市民文化センター
フォーラム
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フォーラム  (ディスカッション)
「そばのむらおこし」 鹿沼市・下永野 大森用子様
「教育での地域おこし」 鹿沼市・加園 山田恵子様
「駅保存での地域づくり」 日光市・小代 柴田智子様
「特産での地域おこし」 大平町・ぶどう団地 松本芳夫様
コーディネーター 小林弘臣

そばのむらおこし 永野むらづくり21特産振興会 会長 大森用子様
活動内容
永野地区は栃木県西部の粟野地区にあり、交通の面では県道・栃木粕尾線より栃木市に隣接し、東北自動車道のICまで約20分のところに位置します。百川渓谷を源流域に栃木市へと注ぐ清流・永野川沿いの自然豊かな環境にあります。
当地域は現在も日本一を誇る「麻」の生産地であるとともに、その後作としても栽培される「永野そば」の産地として広く知られています。そばの作付け面積は増加しており、名実ともにそばの里となりました。
活動の動機(背景)は、地元の有志を募り、会員手作りの農林産物の直売所を平成5年に開所して、地元特産品のPRのため直売活動を開始したことにあります。これにより、都市住民の皆様との出会いとふれあいが生まれ、徐々に地域と人の活性化が図れるようになりました。また、昔からおいしいそば「永野そば」の産地として知られていましたが、より多くの人々に知っていただくためにも新たな活動を展開する必要があり、平成7年、農産物加工施設が建設され、農村レストランも併設されました。
これが拠点施設となり、「ふるさとの味」を提供し、近隣市町はもとより都会の人々との心のふれあい交流を通して地域と人の活性化をより図っていくこととなりました。その結果、周辺にはおそば店が増え、どの店も繁盛するようになりました。また、男女共同参画の実践、地域の資源や人々との結びつきを大切にして活動をつづけています。

永野地区の風景

教育での地域おこし 加園小カリブーの会 会員 山田恵子様
活動内容
カリブーの会(鹿沼図書館ボランティア協会)と紙芝居
この会は図書館ボランティア養成講座を受講した人たちが中心となって1992年に誕生した、子どもたちや社会に向けての市民活動組織です。図書館のサポートをはじめ、読み聞かせなどの読書普及活動や街角ライブラリーの普及など、多角的に企画運営しています。


駅保存での地域づくり 東武日光線下小代駅舎保存の会 会長 柴田智子様
活動内容
下小代駅舎保存に取り組んで・・・・・たまに東京から地元に帰ると、思い出の詰まった駅舎が変わらずに迎えてくれる・・・・・故郷の魅力を感じはじめていた矢先、駅舎解体の事実を知ることになりました(平成15年)。旧小代駅は昭和4年の東武日光線開通時に建設された木造の駅舎。中間小駅であるため往時の標準設計で造られた、どこにもあるような木造駅舎であり、建築的な価値はないとされるのが普通だろうとの思い込みがありましたが、私達地元の思いとして駅舎は特別な存在でした。
地元小代の有志数人で保存運動に立ち上がりました。東武鉄道様には署名という形でぶつかっていくしかない、と署名運動が開始されました。駅舎の経緯を調べるうち、地元小代出身で三菱銀行頭取を務め、のちに吉田茂内閣の経済顧問となった加藤武男氏が東武日光線の敷設に大きく協力し、下小代駅は加藤氏と大変ゆかりの深い駅であることなどがわかってきました(加藤氏は旧今市市の名誉市民第一号)。また、阪神淡路大震災の復興過程の教訓や、築50年以上経った建物の保存の重要性が見直されるなど、まちに大切な要素は何か、という観点でも保存の必要性をますます強く感じるようになりました。
運動は宇都宮大学の先生や東京の学生らの積極的な関わりを得て、気がつくと会員80名の・・・・・私が会長では不釣合いの大きな組織になっていました。しかし、東武鉄道はあまりにも大きな会社で、一度下された決定を変えることは始めからムリだったのかも知れません。本当にいろいろな思いが頭を巡りましたが、このあたりで頭を冷やして考え直そうとしたのです。
先人が育んできたものの上にコツコツと労を惜しまず、手あかを重ねていくことでしか文化は育たないのではないか、文化と経済のバランスがとれてはじめて地域の発展ではないか、と思うこの頃です。現在、駅舎は東武鉄道様より無償譲渡していただき、伝統的な曳き舞工法で移築工事中です。今後、登録有形文化財の申請をして、何らかの形で有効に活用していきたいと検討しているところです。

旧 東武下小代駅 新 東武下小代駅

特産での地域おこし 栃木県農業士 松本芳夫様
活動内容
東武日光線で首都圏から栃木県に入って最初の山並みが見えてくると、そこが大平町です。大平町は県内でも有数の巨峰を中心としたぶどうの産地。約70軒のぶどう農家が集積し、最盛期には県内はもとより都市部からも大勢の観光客が訪れます。
加えて4年ほど前から巨峰を原料としたワイン作りが手がけられ、2年前には販売は始まりました。こうした流れが弾みとなって、ぜひ「ワイン専用種で大平町独自のオリジナルワインを作りたい」との熱い想いが生まれ、ぶどう農家の若い人たち15人が集まってその第一歩が踏み出されました。土壌・気候に合った品種の選定から栽培方法など技術の研究が急務です。
町の産業振興奨励金を得て夢のプロジェクトがスタートし、現在3年目を迎えます。
巨峰を中心とした生食用ぶどうを基幹として、ワイン生産という二つの柱が完成すれば、今後いろいろな展開が見えてきます。ワイナリーの建設やワインの楽しめる農村レストラン、ワイン作り体験、収穫祭など、未来への夢が大きく広がっています。


コーディネーター 小林弘臣 宇都宮市鶴田町 
都市計画研究家。鹿沼企業人の会顧問。
株式会社小林計画事務所 代表取締役/小林時事政策研究所・都市&地域計画プロジェクト開発室・小林コンサルタントオフェス・HKデザイン事務所 主宰